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チャチャイ大いに語る

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第1回目からあまりにもマイナーな作品を紹介してしまいましたので、今回は人気のある作品を取り上げます。クラブDJさんなんかはきっと知ってるでしょう?トランペッター、ケニードーハムの「アフロキューバン」である。タイトルそのまんま、ずばりアフロキューバンなアルバムであるが、私はもーこれがバイブルと言ってもいいくらい大好きなのである。とにもかくにもカッコいい!エキサイティング!そしてダイナミック!ジャケットも赤くて熱い。
 このセッション、よくよく聴くと、結構というか、かなり細かいアレンジが施されていて、アンサンブル重視の部分が多いのに気付く。私は本来ジャズならぶっつけ本番、出たとこ勝負的なのが好みで、そういった譜面の臭いがする演奏はノリが悪くて敬遠がちなのだけど、これだけは例外中の例外。何せ参加メンバーが凄い。個性の塊ドーハム以下、テクニックも音量も申し分ないJ.Jジョンソンのトロンボーン。最高のメロディーメーカーでありスタイリスト、ハンクモブレーのテナーサックス。根性バリトン、セシルペイン。エキゾチックスター、ホレスシルバーのピアノ。重鎮ベース、オスカーペティフォード。そして我らがヒーロー、アートブレイキー。ほとんど全員各パートのジャイアンツであり、バンドリーダー級の人達だ。さらに!このメンバーに、ヤクザパーカッション、サブーマルチネスのコンガが全編チャカポコチャカポコと暴れまくってくれるんだからたまらない訳なのである。今から考えるとこのメンバーが揃ったのは奇跡だ。ブルーノート万歳!といいたい。譜面重視だとノリが悪くなるなんて、そんな理屈はこの連中には通じないのであろう。アンサンブに酔って、リズムで踊って、ソロでブッ飛ぶなんて演奏はそーあるもんじゃない。私などすべてのソロまで鼻で唄える程聴きこんでしまっていても、まだ飽きないのである。
 このアルバム、録音されて50年の歳月がたってるんだけど、20年くらい前までは、実はそれほど評価されてなかったらしい。そもそもブルーノートというレーベルは今では名門といわれCDも良く売れてるらしいけど、それまでは高評価なものと、そうじゃないものの差が、かなりはげしかったと聞く。当時までは、やはり所詮低予算マイナーレーベルだったのだ。この「アフロキューバン」も後者のそうじゃない方の部類に、まともに入ってたみたい。しかも日本ではラテンリズムのジャズなんぞはコマーシャルなもので聴く価値なんぞないぞよ、という間違ったお教えが蔓延してたのでなおさらだったのである。
 そんな風潮に嬉しい機転が訪れたのが、20年くらい前。ロンドンで「ジャズで踊る」ブームが起こり、その教科書的な存在としてもてはやされたのが、この「アフロキューバン」だったのだ。何でもジャイルズピーターソンというDJと「ストレートノーチェイサー」というジャズ雑誌の編集者ポールブラッドショウが中心で展開してたらしい。このブームは5年くらいの月日をかけて日本にも訪れたのだけど、何せついその前まではお立ち台でボデコン姐ちゃんが扇子持って踊ってた時代である(お立ち台に上がって怒られた事がある)。流行最先端を自負してた若者達はこぞってこのブームに乗っかろうとしたのはいいけど、いかんせんジャズなんて今まで聴いた事ないし、右往左往の期間が2~3年は続いたはずだ。もちろん私もよく解ってなかったんだけど、ちょうどオリジナルラブなんて出てきたり、ピチカートファイブなんかも人気あった頃だ。このころは何でもありで面白かったな。
 しかしこの右往左往は間違いなく(経済の下降と共に)日本の音楽シーンも変えてしまって、今のクラブDJなんかの基礎を作っていったのだと思う。これがなくてはボサノバなんて今頃誰も見向きもしなかっただろうし、ジャズなんて堅苦しい国が援助して保存する文化に終わってたかも知れない。何よりYAHMAN&BELLS,MANも生まれてなかったこも知れない。そう考えたら、この「アフロキューバン」は遅れて音楽史を変えた傑作といえるのではないか?しかもこんなに楽しい教科書なんて。
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